水引と色


現在では、さまざまな色の水引が使われていますが、水引には結びの形だけでなく、
色にも意味がありました。
初めの頃の水引は、白一色だったようですが、
これには神聖で汚れのない、という意味がありました。
赤は魔除けの色です。
お祝い事に“魔”が来ないようにという願いを込めて、
白と組み合わせて使われるようになりました。
弔事では、黒と白の組み合わせです。
黒は黄泉の国の色、白は死者の魂をあらわしています。

これらの色の意味は、古代中国の思想である陰陽五行を象徴したものです。
世界に存在するものを“木・火・土・金・水”から成り立っているとするもので、
日本の生活文化にも大きな影響を与えてきました。
その五行は、方位や色に例えられ、東は春を表し、青(緑)は万物成長を、
西は秋で、白(うす桃)は正しい判断(義)、
南は夏で、赤は万物繁栄を、北は冬で、
黒(紫)はすべてが極まり、幽玄で真心ともなる、
中央は黄色で最高に高貴であるという意味を表します。

いずれも魔除けの意味があり、相撲の土俵の上にある吊り屋根の水引幕についている
房にも見られます。

しかし、最近では,水引に使われる色は数百種類もあり、
好みでいろいろ楽しめるようになっています。